ヨモギダ君(蓬田 修士)の思い出

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茨城）ずっと就労やっと青春　つくばの福祉型専攻科入学

山形県鶴岡市に住んでいたダウン症の蓬田（よもぎた）祥子さん（36）が10日、茨城県つくば市の障碍者施設「福祉型専攻科シャンティつくば」で入学式を迎えた。スポーツや娯楽などを体験できる施設。就労し続けて味わえなかった青春を取り戻そうと期待を膨らませている。

　「友人をつくっていろんなことにチャレンジしたい」。祥子さんは、この日開かれた入学式で緊張した表情で抱負を語った。

　鶴岡市の高等養護学校を卒業後、福祉作業所やNPOなど場所を変えながら18年間就労し続けた。最も長く続いたのは、2008年から最近まで取り組んだ地元の福祉作業所でのおからクッキー作り。始めて5年ほどたって、オーブンで焼く工程を任された。「焼き加減の調節の仕方を覚え、徐々に見栄えよく焼けるようになるのが楽しかった」と振り返る。

　それでも、母の裕子さん（64）は祥子さんの行く末を案じた。作業所と家を往復する毎日。連れだって出かける同世代の友人はいない。過去には就労先で対人関係に悩んだこともある。自分が年老いたらどうなるのだろう。この子に生きがいや仲間を見つけてあげたい――。

　新聞で福祉型専攻科の存在を知った裕子さんは昨秋、祥子さんを誘ってシャンティを見学した。授業内容は多彩で、就労が中心の知的障碍者ら向けに、ボウリングや映画、カラオケなどの娯楽、投票の仕方や金銭管理などのプログラムを用意している。本人のペースに合わせて学べるのが特徴で、「のびのびとした雰囲気が祥子にぴったりと思えた」。入学に備え、2人は今年3月からつくば市内のアパートで暮らしている。

　NPO法人が運営するシャンティの生徒は14人。祥子さんは「コロナが落ち着いたら、友達と一緒にキャンプや料理を楽しみたい」と笑顔で話した。

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　〈福祉型専攻科〉　特別支援学校高等部などを卒業した後の進路が就労に主眼が置かれている知的障碍者らを対象にした学びの場。発達障害のある人やひきこもりの人が通う施設もある。NPO法人や社会福祉法人などが運営し、設置は全国でばらつきがある。