一流紙「なぜ日本は衰退したのか？、優秀な氷河期世代は何してるんだ？」

日本衰退の影に氷河期世代の沈黙 ― 氷河期世代の存在感と団塊世代の功績

ここ数十年、日本経済は長期低迷から抜け出せず「失われた30年」と呼ばれる時代を経験した。
その中で注目されるのが「就職氷河期世代」だ。彼らは1990年代後半から2000年代初頭の就職難の時期に社会に出た世代で、非正規雇用やキャリア形成の遅れが社会問題として長く語られてきた。

しかし現在、氷河期世代の大半は40代後半から50代となり、企業や行政の中枢に位置するようになっている。統計的にも就職率は安定しており、表面的には「社会の中心」として機能している。それでも日本全体の衰退は止まらず、人口減少や産業競争力の低下という現実が突き付けられている。

一方で、戦後の高度経済成長を担った団塊の世代は、高卒でも現場で成果を出し、企業を成長させた実績を残している。学歴にかかわらず、泥臭くも結果を出してきた彼らの姿は、現在の世代との対比として語られることも多い。
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社会学者の間では「氷河期世代は構造的な不遇に加え、バブル崩壊以降の閉塞した社会観を刷り込まれた世代でもあり、挑戦よりも安定志向を選びやすい」と分析される。しかし同時に「組織内での改革力を発揮できず、日本の衰退を食い止められなかった世代」と批判される場面も少なくない。

対照的に、団塊の世代は高卒者を含めて現場を支え、日本を高度成長へと導いた。「学歴よりも成果」で勝負し、製造業やインフラ整備を文字通りゼロから築き上げた功績は、今なお多くの企業史や地方経済に刻まれている。

経済評論家はこう語る。
「団塊の世代が築いた土台を食いつぶしながら、新しい価値を生み出せなかったのが氷河期世代です。本来であれば今の日本を引っ張るべき年齢層ですが、沈黙してしまったことが衰退に拍車をかけました」

もちろん、すべての氷河期世代が無力だったわけではない。起業や研究で成果を上げる人材も存在する。しかし社会全体として見ると、かつての団塊世代のような「世代を象徴する成功モデル」が乏しいのが実情だ。