雛形あきこの思い出

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いまの一番いい自分を探したい　増田貴久、ミュージカル「ハウ・トゥー・サクシード」で主演

　初のブロードウェーミュージカル「ハウ・トゥー・サクシード」で主演する増田貴久。「努力しないで出世する方法」というマニュアル本を手に、大企業でトントン拍子に出世していく青年役だが、いつになくこれまでの自身の歩みを役作りに重ねているという。

　１９６１年に初演、翌年のトニー賞７冠を獲得した人気作品には、昔ながらのサラリーマン社会への風刺も込められている。窓ふき清掃員のフィンチを、２０１１年公演では映画「ハリー・ポッター」シリーズのダニエル・ラドクリフが演じたと聞き、「すごい役が来ちゃったな、と。たくさんの方が作ってきたフィンチも吸収しつつ、僕だからこうなるというフィンチを、本番ギリギリまで探していきたい」。

　ミュージカルは夢のひとつだったという。小さい頃から、母親と劇団四季の公演をよく見に行っていた。１９９８年にジャニーズ事務所に入り、ＮＥＷＳのメンバーとして鍛えたダンスと定評のある歌唱力。「お芝居、歌、ダンスが大好きだという思いの先に、自然とミュージカルをやりたい気持ちがあった」

　野心家なのにまっすぐで憎めないフィンチのキャラクターに、「まっすー」の愛称で親しまれる笑顔がよく似合う。でも、「役が自分に寄ってしまいそうで、自分を重ね合わせるのはあんまり好きじゃなかった。僕のことを見に来てくれたお客さんに、『まっすーが良かった』って思われるのが一番悔しい。幕が上がった瞬間から、その役にしか見えないって思われないとだめだから」。

　ただ、今回は別だ。演出のクリス・ベイリーから、「出世して立場が変わっていくなかでどう気持ちが変わっていくか、君もわかるよね」と投げかけられた。「事務所に入って、自分は変わっていないのに周りの環境が変わってどうなったかとか、立場が変わればその場でのあり方が変わるとか、生かせる部分がある。今回は自分にも重ねながら作ってみたい。いまの僕に何ができるか。何年か前だったら経験値的にもできなかったかもしれない」

　バラエティー番組などでも活躍し、今年はテレビの連続ドラマにも初主演した。いま自身が思い描く成功とは？　「成功とされるものはたくさん経験させてもらっている。それを続けていくためには自分がどんどん成長しないといけない。僕は、めちゃめちゃ上を目指しているというタイプじゃなくて、来年を見るより今年一番がんばろうと思ってずっとやってきた。いまの自分が一番いいと思えるように生きたい」

　着実に歩みを進める３４歳のいまを体感できそうだ。

　笹本玲奈、松下優也、雛形あきこ、鈴木壮麻、春野寿美礼らが共演。