- 1 : 2020/11/13(金) 19:37:11.28 ID:+BjxR4hIM
p252‐3
丸山真男が一兵卒として体験した戦争は、一言でいえば知識人として「普遍的な」意味を持つ体験であった。才能ある丸山は、それを自覚的に、また思想的に体験した。敗戦前に彼がすでに戦後日本の「民主主義」を先取りしていたことは、彼の俊敏さとともに、それが「進歩的」知識人として「普遍的な」体験であったことを物語っている。実践される前に「先取り」されたがゆえに丸山の「民主主義」は、戦後大衆が奪取すべき民主主義とはかい離したものとなる徴候をはらんでいたともいえる。
・・・・・私(吉本)が丸山の敗戦までのイメージをよくつかめなかったのは、ほとんどその思想が大衆の生活思想に、ひと鍬も打ちいれる働きを持っていなかったことを意味している。
リベラルな日本知識人の多くはアタマのなかで考えあぐねていた。「敗戦で打ちのめされた日本の大衆は、支配層の敗残を目の当たりにし、食物も家もなくなった状態で、何をするだろうか?暴動によって支配層を打ちのめして、みずからの力で立つだろうか?あるいは徹底抗戦をゲリラ的に進めて、「終戦」をほんとうの「敗戦」に持っていくだろうか?」・・・・と。
しかし日本の大衆はなにもしなかった。大衆は天皇の「終戦」詔勅をうなだれて聞き、無抵抗に武装を解除して、荒れ果てた故郷に帰っていくだけであった。わたしたちはこのとき絶望的な大衆のイメージを見たのだが、丸山に言わせれば、「解放された御殿女中とはこういうものであった」。・・・・・残念なことに丸山真男の戦後の思想からは解放された御殿女中のその後を聞くことができない。
p259
大衆は「それ自体」として生きている。天皇制によってでもなく、もちろん理念によってでもなく、それ自体として生きている。そこから出発しない大衆のイメージは、すべて仮構のイメージとなる。だからほんとうは、大衆の日本的な存在様式の変遷として設定されなければならない問題を、支配ヒエラルヒーが天皇制からブルジョア民主主義に変わったから、この民主主義の確立こそ大衆的な課題である、といった誤ったイメージで捉えることになる。これは現在の丸山学派や類縁関係にある市民主義知識人の陥っている一般的な錯誤に通じている・・・・・・。
p263メージとなる。だからほんとうは、大衆の日本的な存在様式の変遷として設定されなければならない問題を、支配ヒエラルヒーが天皇制からブルジョア民主主義に変わったから、この民主主義の確立こそ大衆的な課題である、といった誤ったイメージで捉えることになる。これは現在の丸山学派や類縁関係にある市民主義知識人の陥っている一般的な錯誤に通じている・・・・・・。
p263
・・・・・丸山の『超国家主義の論理と心理』の唯一の価値は、国家として抽出される幻想の共同性が、日本においてはつねに曖昧なる抽出としてしか行われない、という土着的な様式を指摘した点に帰することができる。しかし丸山はそれを土着的な様式と見ずに、近代国家形成の過程において起こった天皇制の問題としてみたのである。もちろん丸山の天皇制概念は、その土着的な根幹を、現在では消滅してしまった外皮から区別しなければ、本来的な思想的意味を持たない。
p300−1
・・・・・人間が社会的に存在するとき、人間は公的と私的に「同時に」「わかちがたく」存在している。人間の意識が社会的に存在するとき、それは情動的にも理性的にも、また生理的にも存在している。・・・・人間の意識の存在の仕方としていちばん肝心なことは、整序以前からの意識の総体が、「わかちがたく」存在しているということである。
・・・・・丸山真男にとっては、「わかちがたく」存在する「現実」はもっとも認めがたいものなのだ。わたしたちの思考が、抽象化と総合化に向かって運動を始める直前の対象があるがままに存在する瞬間こそ、丸山には耐えがたいことである。だからこそ、彼の方法には社会現象を生活史に不断に還元する過程が不足しているのだ。いうならば「現実」の空気が不足しているのである。- 2 : 2020/11/13(金) 19:38:09.41 ID:q8KydEZO0
- 大衆の劣情に応える政治は
ただのファシズムか文明破壊に行き着くだけだぞ
- 3 : 2020/11/13(金) 19:38:26.99 ID:+BjxR4hIM
平たく言うとエリート丸山(学者)は学問の世界に閉じこもって俺たち大衆(ネトウヨ)と乖離している!
ってことなんだけど- 4 : 2020/11/13(金) 19:38:55.09 ID:JDCOnpfGM
- おじいちゃんまた丸山眞男の話してる……
- 6 : 2020/11/13(金) 19:41:21.59 ID:q8KydEZO0
- 吸いポート→スポーツ
- 7 : 2020/11/13(金) 19:41:48.64 ID:+BjxR4hIM
これ割と重要な指摘じゃね?でも俺らの生きる時代は吉本隆明の時代じゃないから
アンアンに出ればいいというもんでもない- 8 : 2020/11/13(金) 19:42:42.35 ID:CRh5J88zM
- ビートたけし嫌いなんだけど「ギャルソンなんか着てわかったようなツラしてるあいつアホじゃね?」みたいなこと吉本に言ってたのはおもしろかった
- 11 : 2020/11/13(金) 19:46:04.43 ID:+BjxR4hIM
>>8
今では当たり前のように学者がアニメや漫画について語ったりするけど
吉本隆明以前は大衆文化について語る思想家はほぼ居なかったその点での業績はあると思うけど
- 9 : 2020/11/13(金) 19:43:02.88 ID:Rg9rgxqQ0
- ぜんぜん違うぞ、
復興増税について言えば理論からして間違ってるし
リコリニアライダーについて言えば予算制約を理由にやめてるし
あいつら学術を代表する連中の体をなしてない
がただのバカのあつまり - 10 : 2020/11/13(金) 19:43:44.23 ID:+BjxR4hIM
俺の考えでは学問や芸術ってそもそも大衆と相容れなくね?ってことなんだけど- 18 : 2020/11/13(金) 19:54:32.06 ID:krYEdGkEM
- >>10
基本的にはそうだな民主主義も、専門家の意見を聞くのが基本
大衆には専門家として学問的真理を追及する義務はないが、専門家の言うことをマスコミが噛み砕いたものを理解できる必要がある(中3程度)てスタンスだし
- 12 : 2020/11/13(金) 19:46:37.86 ID:S2BWQsLyp
- 丸山はモデルを呈している
モデルとは飽くまでも模型つまりフィクション
現実では無く現実では無い事に意味がある
それを現実は異なると批判する方がおかしい - 13 : 2020/11/13(金) 19:47:37.86 ID:r2K6l8C10
- 東は吉本隆明になろうとしてるのか
- 14 : 2020/11/13(金) 19:49:43.90 ID:xn3qOCAq0
- むしろ蓑田胸喜でね?
- 15 : 2020/11/13(金) 19:51:03.44 ID:krYEdGkEM
- >>1
丸山のほうは読んだけど、
丸山の論の正誤は置いといて、丸山が大衆を知らないわけじゃない徴兵されて二等兵かなんかで放り込まれて、インテリだから、ここぞとばかりに下士官にマウントされたと言ってるし、兵営にいて、徴兵された農民を一切理解せず「思想的に体験した」というのがコイツのフィクション
- 29 : 2020/11/13(金) 20:07:44.52 ID:gaM/HFDn0
- >>15
同意
丸山はむしろ徴兵された時に牢名主みたいな兵長伍長連中に嫌というほど扱かれて大衆の娯楽がどう言うもんかよく味わった
その後も学生闘争で研究室を荒らされて大衆とはどう言うもんか強制的とはいえ関わってた方だ - 40 : 2020/11/13(金) 20:18:35.06 ID:+BjxR4hIM
>>29
それも吉本か誰かの本で読んだが
たかが学生に研究室を荒らされた程度で学問の自由ガーいうのはエリートの傲慢さ、温室育ち的なことが書いてあった気がする- 16 : 2020/11/13(金) 19:51:23.70 ID:c/+ygr340
- どっちもオワコンだろ流石に
- 19 : 2020/11/13(金) 19:58:06.70 ID:SZg5QN670
- そもそも復興増税にしても理論が間違ってると
批判してるの高橋洋一とか田中秀臣とかじゃねえか
学者と学者の戦いじゃねえか - 20 : 2020/11/13(金) 19:58:35.33 ID:eyvXd1z10
- ネトウヨの学者批判はただのバカウヨのコピーだから違う
- 21 : 2020/11/13(金) 19:59:15.30 ID:+BjxR4hIM
ネトウヨの学者アレルギー
インテリアレルギーの話ね- 22 : 2020/11/13(金) 19:59:58.26 ID:rh4kcRPF0
- 「震災復興のための消費税引き上げが浮上しているが、消費税に限らず復興のための一時的な増税は望ましくない。
ハーバード大学のバロー教授の課税平準化理論によると、震災復興のような一時の財政需要増を増税ですべて賄うことは適切ではない。
一時の重い課税が消費や労働などの経済活動に負の影響を与えるからである。復興財源は国債発行で賄い、
負の影響を小さくするべく長期にわたって課税することが望ましい」(畑農[2011] - 23 : 2020/11/13(金) 20:01:47.31 ID:eyvXd1z10
- 吉本は大衆が好きだけど規定できてないね
規定の武器は唯物論かヨーロッパ的観念論しかない
どちらにしても未熟扱いだろう
その未熟さを規定した丸山のほうが誠実
それが大衆の武器となるかはどうでもいい
学問はそういうものじゃないし - 26 : 2020/11/13(金) 20:04:07.91 ID:+BjxR4hIM
>>23
吉本隆明定義の大衆のつかめなさは異常
どういう意味なんだよ- 24 : 2020/11/13(金) 20:03:21.53 ID:+BjxR4hIM
吉本隆明も小難しいこと言ってるけど
言ってる内容はネトウヨと一緒なんだよ
お前らインテリ左翼は机上の空論振りかざしてるけど生活者としての実態がない
みたいな吉本隆明の定義する大衆というのが曖昧で少しつかみ所がないけれど
- 25 : 2020/11/13(金) 20:03:45.76 ID:eyvXd1z10
- ネトウヨの学問アレルギーは自分への不信、あきらめ
これは宗教のせいだろう - 28 : 2020/11/13(金) 20:06:57.57 ID:eyvXd1z10
- 吉本の批判は
知識人といえどもしょせんは大衆の裏返しであって
大衆と結びついているんだから大衆から離れたエリート面すんなってことだろう
あとは左翼的な大衆に希望を見る視点もあるかもね - 30 : 2020/11/13(金) 20:07:46.06 ID:rh4kcRPF0
- 大衆との乖離関係なく
単純に理論を理解してないで
国民の努力だの精神論に堕し増税を推進した緊縮派の集まりが学術会議 - 31 : 2020/11/13(金) 20:09:02.68 ID:eyvXd1z10
- ただちゃんと思想的にやるなら大衆や個人というのも思想として扱わなければならなくて
この2人ともそこまで突き詰めてない
マルクスが流行った時代だから哲学がおろそかになってるかもね - 32 : 2020/11/13(金) 20:09:11.49 ID:rh4kcRPF0
- 国民の努力だのナショナリズムを押し出し増税を推進する
極右が学術会議なのである
むしろ左派こそが大きな声で批判をしなければいけない - 33 : 2020/11/13(金) 20:10:44.27 ID:d6xfl4g60
- 吉本隆明は言葉使いが独特だから難しくて読めないわ
- 34 : 2020/11/13(金) 20:11:43.52 ID:OWDvcjPw0
- 丸山批判の焼き直しではあるとは思うが
何かもっと草の根的な、戦時中の隣組に近いネトウヨの群れからの同調圧力があるよな - 37 : 2020/11/13(金) 20:14:50.05 ID:rh4kcRPF0
- 学術会議についてネトウヨガーと言ってる奴らが
むしろ極右学術会議を支持する極右なのである - 39 : 2020/11/13(金) 20:17:48.74 ID:q8KydEZO0
- >>37
法治主義を無視するのはネトウヨの前提 - 38 : 2020/11/13(金) 20:15:54.81 ID:S2BWQsLyp
- ネトウヨ批判は小室直樹のアノミー論がそのまま当てはまっちゃうから
- 41 : 2020/11/13(金) 20:19:00.89 ID:zyb2BuCi0
- 吉本隆明って内心ではマルクスエンゲルス以外の社会科学全般を馬鹿にしてたんじゃないかな
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