2026年9月6日 07時28分
2001年9月11日の米中枢同時テロから四半世紀を迎えます。国際テロ組織アルカイダのメンバーに乗っ取られた複数の民間航空機がニューヨークの世界貿易センタービルなどに衝突し、約3千人が犠牲になった「9・11事件」です。
当時のブッシュ米政権は「テロとの戦い」を掲げ、アフガニスタンとイラクに侵攻。両国の政権は倒れましたが、親米体制構築に失敗し、駐留米軍は犠牲が増え、撤退を余儀なくされました。
この苦い経験は米国に反省を促したはずですが「喉元過ぎれば熱さを忘れる」でしょうか。
トランプ政権はイスラエルとともに今年2月、イランを攻撃しましたが、体制転換の思惑は外れ、戦争の出口を見失っています。◆対テロ戦争という泥沼
米国が同じ轍(てつ)を踏んだ原因を考えるため、アフガン、イラク両戦争の経過を振り返ります。
ブッシュ政権はテロの翌月、アルカイダを保護するタリバン政権下のアフガンに侵攻します。
タリバン政権は倒れ、反タリバン軍閥連合による新政権が樹立されましたが、政権腐敗や治安悪化で民心は離れ、再興したタリバンが21年8月、首都を制圧して政権を奪還しました。約2500人の米兵を犠牲にした軍事介入は水泡に帰したのです。
イラクには03年、後にいずれも虚偽と分かった大量破壊兵器の保有やフセイン政権とアルカイダとの関係を理由に侵攻しました。
フセイン政権は約1カ月で崩壊しましたが、宗派抗争でイラクは内戦状態に陥ります。米兵4千人以上(民間軍事会社の社員を含めれば、約6千人)が死亡し、戦後のイラクでは米国が敵視してきたイランの影響力が増しました。
イスラム過激派根絶の狙いではアルカイダ首領だったビンラディン容疑者を殺害しましたが、イラク戦争はアルカイダより過激な集団「イスラム国」を生み、アフリカなどで今も猛威を振るいます。
失敗の連続です。後継のオバマ政権以降、米国は両戦争の泥沼から抜けることに懸命でした。
しかし、2期目のトランプ大統領はパレスチナ自治区ガザでの戦闘に端を発したイランとイスラエルの対立に足を踏み入れてしまいました。ホルムズ海峡の封鎖は世界経済をも動揺させています。
同時テロ後の二つの戦争とイラン戦争には相似点があります。
一つはいずれもイスラム圏への戦争であり、底流にはパレスチナ紛争を巡る確執があります。米国がイスラエルを擁護し、公正な和平構築に背を向けている限り、対立の構図は消えません。
さらに体制転換を掲げながらも民衆の生命に冷淡なことです。
イラク戦争初期、米軍は首都西郊ファルージャで陳情に出向いた住民15人を射殺しました。イラン戦争でも米軍は女子小学校をミサイル攻撃し、175人の児童が亡くなりました。反米感情が体制への不満を上回るのは当然です。
何よりも「力は正義」という錯覚があります。イラク戦争を主導した米国の新保守主義派(ネオコン)は「弱い欧州は国際機関による永遠の平和を説くカントの空想的世界にこもり、米国はホッブズの『万人の万人に対する戦い』という現実世界で戦っている」(アメリカ新世紀プロジェクト「力と弱さ」)と豪語していました。
イラン戦争をトランプ氏にけしかけたイスラエルのネタニヤフ首相もネオコンと親密です。◆道理こそ抑止力になる
圧倒的な軍事力の米国に、地域の軍事大国イスラエルが加わってもイラン戦争に勝てないのです。なぜか。道理がないからです。
イラク、イラン両戦争とも国際法を無視して開戦し、特にイランとは交渉途中でした。道理に基づく憤りや共感は侮れません。
ロシアのウクライナ侵攻など世界中で力の論理が横行します。
日本政府も、抑止力強化を名目に防衛力拡大やスパイ防止法など治安法制の整備に突き進んでいます。「力は正義」の論理に付き従って対米従属を深め、米政権による国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長に対する制裁に抗議すらできないありさまです。
日本は戦後「法の支配」や平和外交という道理で国際社会の信用を得てきました。それは日本への攻撃を思いとどまらせる抑止力としても機能してきました。
道理を「お花畑」と揶揄(やゆ)したところで、道理が力に勝ることは、米国のこの四半世紀の歩みが示しています。日本も「他山の石」としなくてはなりません。〈社説〉週のはじめに考える 「力は正義」の落とし穴:東京新聞デジタル
https://www.tokyo-np.co.jp/article/513741
ブラックゼウス乙
異論なし!
当たり前に当然過ぎてぐうの音も出ませんわ
力しか使っていない世界の人類史
力は正義とは思わないが、周辺国が力を強めようとしているなら日本も力をつけるしかない
俺は月曜始まりだから
左翼に正義なんて欠片もないがな
どっちがいい?
つまり、中日新聞の別部隊
論としてはやり易いよな
正しい道理を説いても、大国は平然と力で自国の利益を図る。
アメリカ、中国、ロシア、常任理事国が率先して破りまくる。
そして、それが通り、他国は止められない。
いくら理想、綺麗事並べても、現実のパワーに吹っ飛ぶ。
力が必ずしも何時も正義であるわけないが、現実に結果を出すのは力だ。



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