俺「面接頑張らないと…」面接官「鬱憤晴らしでもしたいな。お、次の奴は元ニートか」

俺「職場のトラブルで鬱になって…その療養に…」

面接官「ふーん、上司に怒鳴られて鬱になっちゃったんだ」
面接官「じゃあウチの職場でも鬱になっちゃうかもしれませんねえ」

俺「い、いえ、そんな…」

面接官「なんか君見てたら虐められる理由わかるわ、うん」
面接官「でも普通そんなので二年も家で休んでようって思わないんだよね」
面接官「サボリたかっただけでしょ？」

俺「いえ、あの、その…」

面接官「あー、いーなぁ、今の時代、なんか医者回ったら鬱くらいどこか診断してくれるんでしょ」
面接官「鬱っていって二年もゴロゴロしていい身分ですねー」

面接官「二年もよくご家族の方が許したね」ハァ
面接官「実家住まい？」

俺「は、はい…」

面接官「あー、はいはい、だと思いました」

面接官「バイトって中学生でもやるでしょ」
面接官「あなた私より年上ですよね」
面接官「バイトしましたって、何のアピールなんですかそれ」

面接官「びっくりした」
面接官「まさかここの面接でそんなことアピールされるとは思ってなかった」

面接官「親も本当は嫌だったんじゃないですか？」
面接官「いい歳した息子が会社で虐められたーって泣きついて二年も遊び歩いてたら」
面接官「私なら世間様に恥ずかしいですよね。親戚にも」

俺「ああ、あ…」

面接官「え、なに、泣いてるんですか？」

俺「あ…いえ、あ…」

面接官「あー、はぁ、ただの面接なのになあ」
面接官「困るんですよねなんか。当たり前のこと聞いてるだけですよねこれ」
面接官「そんなのじゃ一生社会復帰できませんよ？」

俺「すみません…あ、はい…あ…」ホ

面接官「あのね、キミ」
面接官「まともに面接にもなってないじゃん」ハァ

俺「アッ、アッ、アッ…」

盗賊「いやぁ、コイツ、就職でちょっと…」

女騎士「俺君はフリーターだったな」
女騎士「就職活動か！いいことだが、ログイン率が減るのは悲しいな…」

盗賊「社会人でも平日一時間は入ってくるの、女騎士さんくらいやからね」
盗賊「ワイもニートやし」

女騎士「そう…」

盗賊「あ、興味ない」

女騎士「そ、そうかそうか！　駄目だったか！」

俺「なんで嬉しそうなんですか…」

女騎士「あ、いや、すまない」コホン

女騎士「私もログイン率がさすがに減りそうでな…」
女騎士「俺君まで就職したら合わなくなりそうで怖いなと」

女騎士「だ、誰がストーカーだ！」

盗賊「だって毎日ログインして、俺さんいなかったら睡眠時間が惜しいから寝るって…」

女騎士「お、俺君、盗賊の奴の嘘だからな嘘！　真に受けるなよ！」アセアセ

俺（人事…俺と同じくらいの女の子なのに）

女騎士「気苦労ばかりでいいことはないよ」ハァ

俺（ん？　…なんだろう、この違和感？）

女騎士「さ、流石に職権乱用は…」
女騎士「…俺君、どこ住まいだった？」グイ

盗賊「…冗談やで、女騎士さん」

女騎士「わ、わかってるともさ」

俺（い、いや、偶然だろ…女騎士さんがあんな酷いこと言うわけないし…）
俺（いや、リアルと現実が違う人なんて珍しくは…）

俺「あの…女騎士さん」

女騎士「うん？」

盗賊「ははは、なんやそれ」

女騎士「うん？　面接練習でもしたいのか？」

俺「ええ、まあ、そんなところです」

女騎士「まあ、俺君が言うなら本職の私が付き合ってあげても…」コホン