【嫌儲夏の怪談噺】dat落ちしたはずのスレに現れた”8レス目”

ケンモメンのひとりが、ある夜ふと過去のスレを探していた。
昔、自分が立てたもののほとんど誰にも相手にされず、数レスで落ちたスレだ。
タイトルは覚えていなかったが、確か10年前に立てたと記憶している。

なんとなく気になって過去ログを辿っていくと──あった。
2009年に立てた、たった7レスで終わったスレだ。

スレを読んでいくうち、俺は目を疑った。
そこに、「8レス目」があったのだ。

日付は昨日だった。

にわかには信じられなかった。dat落ちしているスレに誰がどうやって？
しかもそのレスにはこう書かれていた。

「もう誰もいないのか？」

背筋がゾッとして、気味が悪くなり、すぐにタブを閉じた。

その夜、スマホに通知が来た。アプリ名も表示されない、謎の通知だった。

開くと、あのスレのURLと、たった一言だけ。

「いるよ」

翌朝、スマホのブラウザ履歴を見ると、覚えのないスレがいくつも表示されていた。
すべて10年前に俺が立てたスレ──いずれも最後に「いるよ」と書かれていた。

それから、あの通知は毎晩続いた。
新しいスレがひとつ、またひとつと、過去の俺のスレが蘇る。
どれも似たような書き込みで終わっている。

「いるよ」
「君のこと、ずっと待ってた」
「帰ってきてくれ」

俺は恐怖でスマホを壊そうとしたが、通知は止まらなかった。
しかも履歴は増え続けていく。

ついに、恐る恐る「一番最初に立てたスレ」を開いてしまった。
すると、そこには見知らぬレスが増えていた。

名前欄には俺の知らない誰かの名前が書かれていた。

「やっと来てくれたね」

その瞬間、スマホの画面が真っ黒になり、音もなく通知が来た。

「これからは君が“8レス目”を書く番だ。」

俺はもう、逃げられない。
あれから何年経ったのか、自分でも分からない。
でも、それも今日で終わりだ。

このスレを読んでる君はもう気づいているだろう？

君のスレ、見つけたよ
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